歯科医院は「むし歯が出来たら行くところ」ではなく、お口の健康を守るため「予防するところ」へとシフトしていきます。予防歯科では、歯を守るための治療を行います。
進んでしまった病気の治療は。たしかにつらいことがありますが、予防や初期の治療は全く痛くなく行うことができます。「予防やケアはこんなに良いものですよ」ということをご理解いただき、「歯科医院はそんなに怖いところではなく、逆に気持ちの良いところ」ということを是非、患者さんに実感して頂けるよう心がけています。
できるだけ削らない、抜かない治療と、定期的な検査・クリーニング
予防歯科では、次のような順序で診療を行います。
歯のクリーニングの手順
1.検査 歯と歯肉の健康チェック、前回の検査と比較し
要注意部分の状況を把握します。
2.予防計画 検査結果をお伝えし、歯のクリーニング回数を決めます。
(原則的に問題なければ1回の歯のクリーニングで終了します)
3.歯石・バイオフィルム(歯の表面に張り着いた細菌の集合体)の除去。
4.歯質強化・除菌 虫歯・歯周病から歯を守ります。
5.ホームケア 方法や注意点などをお伝えいたします。
6.定期クリーニング(年に2,3回) お口の状態に合わせ次回の予約を決めます。
バイオフィルムとは粘性のあるフィルムで、その中に複数の種類の細菌が共存して複合体を形成し、固体の表面に付着した状態のものの総称のことをいいます。いわば、細菌が共同生活をしている集合体のようなものです。
バイオフィルムは自然界のいたるところで見ることができます。身近なところでは、川底の石の表面や、排水溝などの表面のヌルヌルがあげられます。台所の流しにある三角コーナーを汚れたまましばらく放っておくと、周囲にヌルヌルしたものが付着しますが、これもバイオフィルムです。
これらはすべて水中で細菌が繁殖しバイオフィルムを形成したもので、水で流しただけでは取れず、こすり洗いしてようやく取り除けるほど強固に付着しています。
口腔内のバイオフィルムの中で代表的なものは歯面に付着しているデンタルプラーク(歯垢)です。
デンタルプラークは、複数の細菌が形成するバイオフィルムです。歯周病原性グラム陰性菌群などを中心に、バイオフィルム集団となり、頑固に住み着いてしまいます。
義歯に付着するバイオフィルムは、いわゆるカビの仲間である真菌で、主としてカンジタ菌であり、デンチャープラークを形成します。
歯周病は、再発が多い病気と言われています。その理由の一つにこのメインテナンスを受ける習慣が日本人には定着していないことがあげられます。歯周治療が終了しても、きちんとした管理ができていなければ再発してしまいます。実際に長期間にわたり歯周治療を行い、いったん健康を取り戻したにもかかわらず、メインテナンスを行わなかったばかりに2〜3年後に再発をしてしまい、抜歯しなければならない状態になった患者さんもいます。
歯周病の治療中や治療終了直後は、歯周病菌が非常に少なくなっています。はじめは、ブラッシングも非常に注意をし、一生懸命に行っていますが、時間とともにだんだんおろそかになって行く場合もあり、再び歯周病菌が増殖し再発をおこしてしまうのです。メインテナンスとは、定期的に口腔内を管理することにより歯周組織の健康を維持していくことです。
当医院では、1〜6ヶ月とその人にあわせたメンテナンスを行います。
なぜご本人だけだと健康維持が難しいのでしょうか?
1.磨き残しにはくせが出てしまいます。
これは歯の同じところばかりを磨いてしまい、歯ブラシの届いていないところはずっとそのままに
なってしまうためです。
2.普通のお手入れではコントロールできない・しにくい場所がある。
ブリッジなどの治療後や、部分的に歯周病が進んでしまったところなど、お手入れの難しいポイ
ントを押さえておくことが大事です。
3.歯の意識を常に保つのは意外と難しい。